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2020年7月27日 (月)

新しい科学1558

 対話出来ないと人類は絶滅する

 このシリーズの1557号まで、自然科学の発達は人類に、大きく言えば生物に何をもたらしたかについて、おおまかに、しかし率直に述べてきました。
 要約すると、人類の発達は人格レベルⅡの「生存競争原理段階」までに発達した人々を多数産出し、人類集団を組織化し、高度に発達した社会・経済・文化をもたらしました。ところが、人格レベルⅡというのは動物の自我レベルに近い、あるいはやっとそこから抜け出した程度に過ぎない人格レベルⅠの「生活享受原理段階」に近い性質の人格段階でした。
 動物は自然が用意してくれた食物を食べて生きていますから、自分で労働して食物を生産することはしないのですが、人類は作物を作り、貯蔵することを始めたわけです。それは集団的な人力による生産活動であって、乳幼児の産出・保護・養育、さらに教育活動を伴う組織的な活動でした。
 この活動はそこに関わる人々の集団(組織)の発達や個人(人格)の発達を促すことになりました。そして非常に人格の発達した少数の人々の中にはレベルⅡの人格段階を抜け出してレベルⅢの「生命協力原理段階」の人格に到達し、人々に布教するようになりました。例えば、今から約2千5百年前に現れた釈迦や約2千年前に現れたイエス・キリストはその例です。その頃、釈迦は尊者マールンキャープッタから「人は死んだらどうなるか」と訊かれて、「どうなるのか分からない」と正直に答えています。釈迦(シッダルタ)は「空」を悟り、レベルⅢの人格になったのですが、まだ「人は死ねば身も心も消滅する」とは認識していなかったのです。イエス・キリストは創造主としての神を信ずる立場からレベルⅢの人格に達していたのですが、心身二元論の立場に立っておりました。
 宗教は心身二元論に留まっているために、対話可能なレベルⅢの人格段階に人々を導く可能性を持ちながらも、科学的な人格形成を進めることが出来ていなかったのです。
 ところが、自然科学の発達は遂に原爆や水爆、さらに核ミサイルまで造り出したのですが、人々が宗教の影響もあって、未だに心身二元論に留まっているために「新しい科学」、人格形成の科学としての『人間科学』が未発達であり、世界に普及されていないのです。
 この状態を危ぶみ、改めようと今から20年以上前から長野市において「生と死の教育を考える会」を立ち上げ、多くの識者の考えを発表し合い議論し合ったことがあります。そして30回程の会を行った後に『いま、生と死の教育を問うーー21世紀を生きるあなたへのメッセージーー』という本を出しました。(生と死の教育を考える会  発行、 印刷はコロニー印刷)
 最近、新型コロナウイルス感染症が大問題となり、そのためこの本に注目して電子書籍を扱う22世紀アートという出版社から、この本の一部分である「第2章 生死の問題から人格形成を考える」を単行本として出さないか、という提案がありました。えッという感じで驚いて、読み返してみると、確かに今の時代にピッタリ合っている感じでした。しかし、この本は既に20年ほど前に出してありますし、多くの図書館にも寄贈してありますので、読んでみようと思う方には無料で読むことができます。コロナ禍の問題や核廃棄・戦争反対、米中対立問題をどうしたらよいか考えている方々には是非読んで貰いたいと思っています。

 

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